この日の未明…
ついに親父が死んだ…
前夜「明日も来るからね…」と言って病室を出ようとしたときに、寂しそうな目で僕を見つめた親父…
あの目は今でもはっきりと頭に焼き付いている…
明け方、まだ布団の中にいた僕のところへおふくろから急を知らせる…
慌てて起き出して着替え、病院に向かったけれどその車中で再びおふくろから…
「いっちゃったよぉ…」
の向こうで後は号泣…
病院に着いたときには、もう親父は息をしていなかった。
前夜のあの悲しそうな…寂しそうな…
あの何かを訴えるような親父の目は、こうなることを悟っていたからなのだろうか?
そう思うと僕は、前夜病院に泊まらなかったことを悔やんだ。
結局僕は親父の臨終に立ち会えなかったのだ…
こうなることはわかっていたことだ…
しかしいざその瞬間が訪れてみると、ショックという言葉では簡単に表せないほどの衝撃が僕の心を襲った。
誠にもすぐに連絡した…
でも彼女にどんな返事をもらったか…
今はもう覚えていない…
そこから後は本当に慌ただしかった。
葬祭会館の都合で、通夜が2日後、そして葬儀は3日後と決まった。
テーマ : 愛の軌跡
ジャンル : アダルト