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勝利とフェアプレー。 ~なでしこ、もう一つの快挙~ ②小川勝 = 文 text by Masaru Ogawa 警告が少ないのは日本女子サッカーの誇るべき伝統。 ファウルが少ないのは、そもそも相手選手と接触しないで、ショートパスを多用する日本のプレースタイルの結果という側面もある。だがディフェンスの時は、接触を避けようとしても相手が挑んでくる場合もあるので、やはり高い技術と、ラフプレーはやらないという精神がなければ、こういう結果にはならないはずだ。 もともと女子日本代表は、警告の少ないチームだった。W杯には'91年の第1回大会からすべて出場しているが、過去の5大会(うち4回はグループリーグ敗退)は、すべて警告0回~3回。出場国の中で、最も少ないか、少ない方から2番目だった。これは日本の女子サッカーにとって、誇るべき伝統と言っていい。今回もそれを失うことなく、優勝を果たしたわけだ。 また、単にファウルや警告が少ないだけではなかった。日本の選手たちは、疑問の残る判定にも、審判に文句を言ったりはしなかった。どう見ても日本のCKになるべきところで相手のゴールキックになったり、首をかしげたくなる判定はいくつかあったが、選手たちはすぐに次のプレーに入った。 「ずる賢い世界」にあって輝くなでしこジャパンの世界一。 決勝戦では、後半18分、FW大野忍が中盤で米国DF陣の裏を取って抜け出し、GKと1対1になりかけたが、オフサイドの判定になった。しかしこれはビデオで見直すと、オフサイドではなかった。米国でこの試合を中継したESPNでさえ、この場面をビデオでリプレイして、はっきりと「審判のミス。(試合を)止めるべきではなかった」とコメントしていた。それでも日本の選手たちは、審判に食ってかかったりはしなかった。これは、選手たちが育ってきた社会の習慣の反映だったのかも知れないが、それが、スポーツ選手として望まれるものであることに変わりはない。 足もかかっていないのに倒れこんだり、時間稼ぎのために転んだまま立ち上がらないといった場面も、ほとんど見られなかった。W杯のような大会では、ずる賢さも欠かせないといった論理が、時に「世界の常識」として語られる。それが常識なのであれば、そのずる賢い世界にあって、なでしこジャパンの世界一は、ますます価値が高いと言えるだろう。 だからこそ彼女たちは美しい!^^ それにひきかえ・・・ ずるい女は本当に醜い >< |
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