むかーしの映画で、ロバート・デニーロとメリル・ストリープの「恋に落ちて」を独身の頃ビデオを借りてきて見たことがあった。
その中のデニーロの妻の台詞で
「何もしないほうがもっと悪いわ」と言うのがあった。
二人は恋に落ちるけど、肉体関係はないまま。
妻が夫の浮気?に気付いて問いただす。
デ・ニーロは奥さんにやたらと「何もしなかった…そして終わった」と弁解するが奥さんはそれの方が悪いと責める…
肉体関係のない関係の浮気だったら何で繋がっているのか?
それは「心」だろうと妻は思う。
2人の心が触れ合って好き合っているという事はそれはもう浮気ではなく本気だと妻は思った。
肉体関係がなく精神的な結びつきだけのほうが悪い。
それはすごくわかる。
別に肉体関係があるから遊びとは言わないし、言えないけど、何もなくて愛し合っているということはそれだけ結びつきが深いということ。
あの頃、その意味がわからなかった。
なぜそれが悪いのか、浮気は浮気じゃないかと思ったような記憶がある。
愛していたら抱かれたいと思う。
でも大事な人だからこそ、簡単に身を任せることができないのか…
今思うと、例の泥沼の彼もどき。
何もない関係だからきっとお互いどこか気になっているんじゃないかと思う。
愛はそこにはない。
だから映画のそれとは違う。
だけど何か関係があったほうが憎しみや怒りも沸くのかもしれない。
何もないから綺麗な思い出しか残らない。
もう一度今「恋に落ちて」を見たらどんな気持ちになるんだろう?
私は彼と別れる前に付き合ってたとき、よく映画を一緒に見に行った。
「きみに読む物語」も「解夏」もとにかくよく泣いた。
そこにある深い愛に感動したから。
それに自分たちが重なったから。
今二人で「恋に落ちて」を見たいと思う。
どんな気持ちになるのだろう…